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東大は学部を決めずに入学できる?東大の進学選択(進振り)の仕組みを解説します!

 

日本にある多くの大学では、学部を決めて出願し、入学後はその専攻に合わせた授業を履修するというシステムになっています。

 

しかし、東大では学部を決めずに入学することができ、学部2年の時に行われる「進学選択」によって学部を選び、3年生で各学部・学科に進学することになります。この「進学選択」は、以前は「進学振り分け」という名称だったので、東大生の間では略して「進振り」と呼ばれています。

※この記事でも、進学選択のことを「進振り」 と呼ぶことにします。

 

この「進振り(進学選択)」という制度は他の大学には存在しないものなので、多くの人にとってはあまりなじみがないことと思います。そこでこの記事では、この進振り制度について、詳しく解説していきたいと思います。

 

(東大事情に関心がある方はこちらの記事もあわせてどうぞ!)

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進振りでの各学部への「進学しやすさ」は科類によって異なる

 

東大の入学試験は、学部がない代わりに、「科類」ごとに入試を行う形になっています。この「科類」は文科・理科ともにⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類の計6科類が存在しています。そして、6つの科類に入学してから各学部に進学するまでの2年間は「(前期)教養学部」に所属することになります。

 

そして、2年の夏の段階で進学する学部を決めることになるのですが、どの科類に入学したかに応じて、各学部への「進学しやすさ」が異なってきます。

というのも、進振りには「指定科類枠」と言われる、例えば「法学部は文科Ⅰ類の学生を優先的にとる。文科Ⅰ類以外からは○人しか受け入れない」というような優先枠があるからです。

 

このような指定科類枠のために、各科類から進学しやすいとされる学部は以下のようになっています。

文科Ⅰ類→法学部

文科Ⅱ類→経済学部

文科Ⅲ類→文学部・教育学部・教養学部

理科Ⅰ類→理学部・工学部

理科Ⅱ類→工学部・農学部・薬学部

理科Ⅲ類→医学部

 

もっともこれは「この科類からはこの学部に進学する人が多い」という指標であって、実は文Ⅲよりも文Ⅰからの方が教養学部進学のために必要とされる成績が低かったり、理Ⅰでも理Ⅱでも薬学部に進学するためには同じくらいの高成績が必要だったり、ということもあるのです。

 

進振りのシステムについてはこのあとお話しますが、その前に東大の各学部の雰囲気や特徴を知りたいという方はこちらからどうぞ。

www.asuka-ukaru.com

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進振り(進学選択)のシステムとは

 

大学2年の夏になると、進振りによって、学部(あるいは学科・専攻)を選択できることは前述の通りですが、各学部には定員というものがあります。どんなに人気の学部でも、定員をオーバーする人数を受け入れることはできません。

 

では定員をオーバーしてしまったときに、どのようにして進学できる学生が決定されるかというと、「成績」「志望理由書」「面接」などです。以前は100%成績だけで決定されていたのですが(このときの制度の名前が「進学振り分け」であった)、「進学選択」という制度に変更されて以降は、志望理由や志望先に関わる活動などでも評価されるようになっています。

と言っても、この制度の歴史を鑑みるに、現在でも「成績」の占める割合は大きいとされ、成績以外の評価での一発大逆転はほぼ不可能と考えられます。多くの生徒はそれなりの志望理由を真面目に考えますし、優秀な学生のなかで目立った活動をアピールすることも難しいからです。

 

進振りに用いられる成績は、大学1年で取得した単位と、大学2年の最初の1セメスターで取得した単位となっています(東大は1年が4セメスターに分かれている)。

そのようなわけで、人気の学部・学科に進みたい東大生は、大学入学後も好成績を取るために必死で勉強するわけです。このあたりの事情はこちらの記事からどうぞ。

asukask.hatenablog.com

 

ちなみに学科・専攻の選択については、進振りの段階で学科・専攻まで選ばなくてはならない学部もあれば、進振りの段階では学部だけが決まり、学科・専攻は学部内定後に選択する学部もあるなど、場合によって異なります。各学部の情報を参考にしてください。

 

さて、各学部の定員は第一段階○枠、第二段階○枠、それでも埋まらなかった枠が第三段階、というように定められていて、各段階で「指定科類枠」と「全科類枠」というのが定められています。

 

進学選択第一段階

 

第一段階では、学生は進学したい学部を1つ選んで登録します。

各学部は「指定科類枠」から定員を埋めていきます。例えば、法学部であれば、文科Ⅰ類から○○人、というような指定科類枠を設けているので、文科Ⅰ類で法学部を志望した学生の中から上位○○人が内定します。

「指定科類枠」が埋まったら「全科類枠」の定員が埋まっていきます。法学部の全科類枠が△人であれば、文科Ⅰ類を含め全ての学生のなかで法学部を志望した学生の中から上位△人が内定することになります。

 

例えば法学部の場合は、文科Ⅰ類への指定科類枠が多く、全科類枠がとても少ないので、文Ⅰ生は低い成績でも法学部に進学できる一方で、他の科類の人が法学部に進学するためには、全科類枠というわずかな枠を争う必要があるため、かなり良い成績をとる必要があります。

 

反対に、他の科類からの志望者が少ない学部もあります。例えば、文学部は文科Ⅲ類に指定科類枠を持っていて、文学部を志望した文Ⅲ生が上位から割り当てられます。そこで割り当てられなかった文Ⅲ生と、文Ⅲ以外の学生が全科類枠にまわるのですが、文Ⅲ以外からの文学部への志望者が少ないので、全科類枠もほとんど文Ⅲ生が占めている、という状態になります。

 

このようにして学生が割り振られていくのですが、各学部は第二段階にも枠を残しているので、当然ですが全ての学生が第一段階で内定することはできません。第一段階で内定できなかった学生は、第二段階に進むことになります。(第一段階で内定するのは7割ほどと言われます。)

 

進学選択第二段階

 

第二段階に進んだ学生は、志望学部を含め、「この学部(学科)なら進学しても良い」と思える学部(学科)を志望順にひたすら登録します。第二段階が、実質的には最後の砦と言えるからです。

 

各学部が定員を埋めていくプロセスは、ほぼ第一段階と同じです。(ただ、第二段階では指定科類枠がない学部や、全科類枠がない学部もあります。)

 

第一段階と異なるのは、学生は志望学科を複数登録しているので、アルゴリズムというシステムが使われることです。詳しい説明は難しいので割愛しますが、学部側から見れば上位の学生を採れるように、学生側から見れば可能な限り上位で志望した学部に進学できるようにするシステムです。まあ、ここでも成績上位の学生から内定していくのだなあ、くらいの認識で十分です。

 

進学選択第三段階

 

さて、第二段階にてほとんどの学部・学科が募集を終了します。ただ、不人気でまだ定員がだいぶ余っている学科については、第三段階でも門戸を開いてくれている場合があります。

 

第二段階を終えても進学先が決まっておらず、それでもやっぱり降年(自主留年のこと)したくない!という学生がそのような学科に志望を出すのが第三段階です。ただ、よほど不人気な学科しか残っていないようなので、ここまでくると降年する学生も多いみたいです。

(降年については次の記事でも紹介しています。)

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東大では、降年すると翌年の進学選択に再挑戦できます。降年した1年間でより良い成績を修めれば、成績の平均点を上げることができるので、前の年よりも良い成績で進学選択に臨むことができます。

 

進振りでの要求科目と要望科目

 

このような進振りのシステムのため、理論的には文系から工学部、理系から法学部に進むことも可能になっています。しかし、特に文系の人が理系学部に進学すると、いきなり物理や数学の難しい計算をこなさなくてはならないということも起こります。

 

そこで、理学部や工学部など理系の学部に多いのが、大学1、2年で理系の学生が学んでいる物理や数学の授業を、要求科目や要望科目にしておくパターンです。「要求科目」というのが、その科目を履修していないとその学部に進学できないという科目で、「要望科目」というのが、その学部に進学するにあたって履修しておくのが望ましいとされる科目です。

 

「要求科目」や「要望科目」が指定されている学部に進みたい学生は、大学1、2年の間にその単位を取得しておく必要があります。

 

近年の進振りにおける問題

 

近年の問題になっているのが、法学部の文科Ⅰ類への指定科類枠の多さと法学部人気の低下です。

文Ⅰ以外の科類から法学部への進学を希望する人は相変わらず多く、進学選択では高得点が必要です。しかし、文Ⅰ→法学部のルートは不人気に陥り、文Ⅰの学生が他学部に流れてしまっているので、指定科類枠が余りまくっているのです。

 

結果、文Ⅰから他学部へ流出した学生が経済・教養学部などの枠を圧迫し、数年前なら経済や教養学部に進学できていたはずの文Ⅱ・文Ⅲ生が押し出され、そのような学生はもちろん法学部にも進学できないので、進学先がなくなり降年を余儀なくされる、というような事態が近年起こりつつあります。

 

解決策は、法学部が全科類枠をもっと増やして文Ⅱ・文Ⅲからも内定できるようにすることなのですが…。文Ⅰからしか採りたがらない、学歴厨でプライドの高い法学部が、今後どのような方向に進んでいくのか、注目されますね。

 

他にも進振りのメリット・デメリットなどを次の記事で書いてみたので、そちらもご覧ください。

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まとめ

 

東大の進振り(進学選択)について解説してみました。今まで東大の学部決定の仕組みがわからなかった人にとっても、東大のシステムを知ってもらうきっかけになったのではないでしょうか。

結局どの科類を受験しようか迷っている…!という受験生はこちらの記事も参考にしてください。

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このブログでは、記事中で紹介した以外にも、東大の学生生活や、東大を目指す受験生への学習法アドバイスなどを掲載しています。そちらの記事もぜひご覧ください!

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