国立大学の二次試験でリスニング対策が必要なのは現時点では東京大学のみです。しかも東大入試におけるリスニング実施時間は30分間で配点は30点と、時間・配点ともに東大入試英語の全体の4分の1を占めます。
(東大入試英語の問題形式・配点については次の記事も参考にしてください。)
東大入試英語のリスニングは3題(各5問、計15問)で構成されます。1題のリスニングが約5分間という比較的長い時間であるため、リスニング対策をしていない受験生にとっては、かなりとっつきにくく感じるかもしれません。
しかし、このリスニングのパートは、しっかりと対策をすれば安定して25点以上、時には満点をとることも可能です。(リスニング力向上には毎日の努力が大切なので、長期間毎日コツコツと取り組むことが大切になってきます。逆に言えば、努力さえしていれば誰でも点数が取れるパートなのです。)
私も高3になる前は、(特に東大型の長めの)リスニングがかなり苦手でしたが、この記事に書いた方法を実践することによって、本番の試験のリスニングのパートでは満点を確保することができました!
出来るだけ点数を稼いでおきたい英語の試験で安定した点数が見込めれば、落ち着いて試験に臨めますよね。
そこで今回は、東大英語のリスニングの対策方法とおすすめの参考書を紹介したいと思います。
(リスニング以外の文法・読解などの対策法を知りたい方は以下の記事からご覧ください。)
東大リスニングの対策法―毎日必ず30分!
まず、東大二次試験のリスニングで満点を狙いたいのであれば、必ず毎日30分、リスニング対策の時間を確保しましょう。これは1回の試験におけるリスニング実施時間が30分であるからです。普段の勉強においても、30分間リスニングに集中し続けるための訓練が大切ということです。
どうしてもリスニング対策の時間がとれないという日があっても、寝る前の10分で構いませんから、少なくとも毎日英語の音に触れてください。そして、高校3年生になるまでにはこれを習慣づけられると良いでしょう。すでに高校3年生の方は今日からでもリスニング対策をスタートしてください。
東大英語リスニング対策のおすすめ参考書
それではここから、東大英語リスニング対策におすすめの参考書を紹介していきます。それぞれの参考書の活用方法についても解説していますので、自分のリスニングのレベルや東大受験までの残り時間などに合わせて取り組んでみてください。
東大の入試といえど、以下に紹介する参考書にきちんと取り組んでいれば、リスニング対策はバッチリです!
①センター試験の過去問
センターレベルのリスニングでも8割とれるか怪しい…という場合は、まずセンターレベルの英語をしっかりと聞き取れるようにしましょう。このレベルのリスニングで安定して8割以上の点数を取れるようになるまでやってください。
センター試験レベルのリスニングでも難しいと感じる方は、
問題を解く
→スクリプトを見ながら聞く
→聞きながらスクリプトを見て重ねて音読する
→スクリプトを見ずに聞き、聞こえた文章を発声する(シャドーイング)
→スクリプトを見ずに聞こえた文章を書きとる(ディクテーション)
という一連のプロセスを繰り返してみてください。徐々に英語が聞き取れるようになるはずです。
このあとおすすめするリスニング本の著者である、灘高校のキムタツ先生も以下のようなセンターリスニング対策本を出していますので、こちらを活用しても良いでしょう。
②灘高キムタツの東大英語リスニングBASIC(アルク)
センター試験レベルのリスニングはクリアーしたという方は、この『灘高キムタツの東大英語リスニングBASIC』を活用して、少しずつ長い文章を聞き取れるようにしていきましょう。
リスニングの勉強方法やコツはこの本にも書いてありますが、この本に取り組む際にも、
問題を解く
→聞きながらスクリプトを見て重ねて音読する
→スクリプトを見ずに聞き、聞こえた文章を発声する(シャドーイング)
→スクリプトを見ずに聞こえた文章を書きとる(ディクテーション)
というプロセスを繰り返してみてください。はじめは長い文章を聞き取るのに慣れないかもしれませんが、この本に取り組むことで徐々に文章量が増えていき、慣れていくので、心配する必要はありません。
この本を終える頃には、東大入試本番と同じくらいの長さのリスニングの問題にも取り組めるだけの力が付くはずなので、次に紹介する『灘高キムタツの東大英語リスニング』に進みましょう!
③灘高キムタツの東大英語リスニング/灘高キムタツの東大英語リスニングSUPER(アルク)
東大英語リスニングと全く同じ形式の問題が収録されている問題集です。それぞれ数としては10年分にあたるオリジナル問題が収録されています。『灘高キムタツの東大英語リスニング』の方だけでも、東大リスニングにある程度対応できる力は付きます。
『灘高キムタツの東大英語リスニングSUPER』の方は、前者よりも英語音読スピードが速く、背景に雑音が収録されていたりします。そのため、本番の試験室で想定外の雑音が聞こえてきた場合でも落ち着いて対応できるくらいの余裕ができます。
この本までこなすことができれば、東大入試本番のリスニングのパートで満点を取ることも夢ではありません。
基本的には先ほどのプロセス
問題を解く
→聞きながらスクリプトを見て重ねて音読する
→スクリプトを見ずに聞き、聞こえた文章を発声する(シャドーイング)
→スクリプトを見ずに聞こえた文章を書きとる(ディクテーション)
を繰り返すようにしてみてください。
ちなみに私が受験生であったときは、リスニングは1週間で1年分(3題)をこなすことを習慣にしていました。月曜日に本番と同じ形式で3問のリスニング問題を解き、火曜日以降はその問題の音読やディクテーション織り交ぜながらひたすら復習する、という感じです。2冊で計20年分の問題が収録されているので、約5カ月間かけて2冊マスターできました。
このくらいじっくりと取り組んだので、東大入試のレベルであれば、ほとんどのリスニング問題で聞き取りができるようになり、本番の試験では全く不安を感じませんでした。
一度東大の過去問(赤本)のリスニング問題に挑戦してみたこともありますが、『灘高キムタツの東大英語リスニング』に収録されている読み上げスピードに比べて、赤本に収録されている読み上げスピードはかなり遅かったので、余裕で解けてしまったほどです(笑)。そのくらい『灘高キムタツの東大英語リスニング』は良本と言えます。
まとめ
東大入試のリスニングでは特殊な対策が必要ですが、上記の方法でコツコツと対策をすれば、リスニングはむしろ得点源にすることができます。リスニングが大の苦手だった私でも満点を取れるまでになったので、これからリスニング対策をしようという東大受験生の皆さんもぜひ頑張ってください!
東大受験生の方は、記事中で紹介した以外にも、以下の記事も参考にどうぞ!