合格(うか)るが勝ち

合格(うか)るが勝ちとは思っていない東大生凡人ブロガーが、東大生にしかわからない東大事情や受験情報について書き記すブログ

東大生が語る、東大の進学選択制度(進振り)のメリット・デメリットとは

東大にいると、思うことがあります。

 

進学選択って、本当に良い制度なのか???

 

あ、申し遅れましたが、東大の進学選択制度(進振り)というのは、学生が大学2年生のときに進学する学部・専攻を決定し、大学3年次からその学部に所属して学ぶという制度です。

厳密には、入学時の科類によって進学しやすい学部があったり、成績によって進学できる学部が限られたりと、結構ややこしい制度なので、内容のほうを詳しく知りたいという方はこちらの記事もあわせてご覧ください。 

asukask.hatenablog.com

 

たしかに、入試出願段階で学部を決める必要がなく、大学入学後に実際に講義を受講しながら、どの学部に進学したいか決めることができるというのは、利点でもあります。というか、それは良いんですよ。でも、せっかくの利点を生かすなら、その恩恵を享受できる人をもっと増やせるような仕組みにした方が良いのでは?と思ったりもするわけです。(現行の制度では成績の低い人は必ずしも希望通りの学科に進学できないため。)

 

進学選択制度の利点と欠点をあげてみた

 

そこで、東大の現行制度を分析するために、進学選択の利点と欠点を挙げてみました。

 

利点

 

・大学に入学して様々な学問に触れたうえで専攻を決定できる(ただし7割くらいは入学時に専攻を漠然と決めている)

・専攻しようと考えている分野以外の授業も受けることができ、興味関心が広がる

・良い成績を維持するモチベーションになる(ただし進学希望先の底点が低ければ、前期教養課程では良い成績を維持する必要はない)

 

たしかに入学後に進学先希望を変更する人もいますが、ほぼみんな入学時に大体「法学部に行きたいから文Ⅰ」「工学部に行きたいから理Ⅰ」みたいな感じで、なんとなく進学先を決めているじゃないですか。(まあ、時々「進振り(進学選択)強者になりたいから文Ⅰ」みたいな人もいるけど。)

 

そうすると、「志望する学科の底点が低いから大学1、2年は遊べる」という考えを持つ人も当然いるわけで、そのような人にとっては、進振りが好成績を維持するモチベーションにはなりにくいわけです。

 

反対に、文Ⅲ生で法学部に行きたいという生徒であれば、大学1年の夏学期から猛勉強を重ねて、全ての試験で高得点を取らなくてはいけないわけで、例えばこれが大学2年になって「1年の時に履修した法律の授業が面白かったから文Ⅲから法学部に進みたい!」と思っても、大抵の場合は成績的に進学できないのです。

 

(東大生の成績事情についてはこちらの記事もご覧ください) 

asukask.hatenablog.com 

 

欠点

 

・専門分野を学ぶ期間が短くなる

・ある程度よい成績でも、年度と志望先によっては希望する学部・学科に進学できない

・志望学科に進学できないと降年する人がいる(=必要単位は取れているので、単に時間の無駄では?)

・目的意識を持たずに最初の2年間を過ごしてしまう可能性がある

 

こうした弊害ってかなり大きいのではないかと個人的に思うわけです。なにせ、他の大学の学生が4年間かけて学ぶ専門分野を、学部決定後の2年半で詰め込むわけですから。(それでも東大生は勉強ができちゃったりするから侮れないけれど。)

そして、目的意識を持たず、どの学部(もしくは専攻)にしようかなーと迷いながら2年間をつぶすのは勿体ないと感じるのです。

 

しかも、進学を希望していても、実際に進学できるとは限りません。例えば、文Ⅲから法学部に進学しようと考えて、大学1、2年の間に法律関係の講義を履修したり法律書を読んで勉強したりしても、成績がギリギリ足りなくて文学部に進学してしまう可能性もあるのです。そうすると、最初の2年間にその人が法律の勉強に費やした時間は、無駄になってしまう可能性もあるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

 

本当はここから、この進学選択制度をどのように変えていくべきかという方向に話を展開していきたかったのですが、あまりに複雑に(昨日の記事の二の舞に)なりそうだったのでやめました。書いても東大のシステムが変わるわけではないですし…。ちなみに大学制度について語った昨日の記事はこちらです。 

asukask.hatenablog.com

 

たしかに現行の東大の進学選択制度のように、各学部に定員を定め、志望者数がそれを超える場合に成績で進学可否を決めるというシステムは、ときには成績維持のモチベーションとなるのかもしれませんが、逆に駒場で学ぶ「学問」自体にモチベーションを感じられない学生を増やしているような気もします。東大駒場キャンパスの予備校化ですね…。

 

そもそも、各学部の「定員」ってそんなに必要なんですかね。上で紹介した記事で解説したアメリカの大学システムのように、入学後の成績によらず柔軟に学部を選択できる仕組みにしてもよいと思います。それでもアメリカの学生は(卒業が大変なので)ちゃんと勉強していますし、各学部側も生徒を集められるように努力しています。

 

成績にこだわる現行の進学選択制度をもっと生徒側の自由度の高いものにすれば、例えば途中で専攻を変えられるシステムにしたり、入学時に専攻を決めている人は1年から専門科目を受けられるようなシステムにしたりできるなど、もっと様々な進路計画に応えられる制度になりそうなのになあと思ったりしています。

 

でも結局、そういうところはなかなか変わらないのですけどね…(笑)

 

東大事情についてもっと知りたい方は、こちらの記事もどうぞ!

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