東大合格を目指している東大受験生は、夏から秋にかけて複数の東大模試を受験すると思います。各模試とも本番の試験に近いですが、実際にこれらの模試はどう違うのか、どのように活用すれば良いのかと疑問に思っている方もいることでしょう。
そこで今回の記事では、各予備校で実施されている東大模試の特徴を徹底比較し、この時期に行われる東大模試の活用方法と合わせてお伝えしていきたいと思います!
受験生が夏休みにすべきことについての記事もあわせてお読みください!
東大模試基礎知識
多くの東大受験生が受験する東大模試には主に4種類あります。
・東大実践模試(駿台主催:8月、11月の2回)
・東大即応オープン(河合塾主催:8月、11月の2回)
・東大東大入試プレ(代々木ゼミナール主催:7月、11月の2回)
・東大本番レベル模試(東進主催:6月、10月、1月の3回)
各模試は二次試験本番と同じく、土・日の2日間かけて行われる場合が多いです。
日程が重なることのないように組まれていますが、(とくに日程の重なりがちな秋は)全部受験する人はまれです。そんななかで、ほとんどの東大受験生が受験するのが、上2つの「東大実践模試」「東大即応オープン」となっています。
では、この4種類の東大模試がどのように異なるのか、徹底比較していきます!
東大実践模試(駿台主催)
上で説明したように、駿台の東大実践模試はほとんどの東大受験生が受験するので、ライバルたちのなかでの自分の立ち位置を把握するのには適しています。
全体的に入試本番よりも若干難しく、点数が出にくい傾向にあります。(ただ、1科目だけを取り出してみれば本番より簡単な回もあります。でも、例えば数学が簡単だったとしても他の科目が難しかったりして、合計得点で見れば本番よりは点数がとりにくいと思います。)
良い点数が取りにくいのはどの受験生にとっても同じなので、点数が低かったとしても判定はそこそこ出ます。というか受験者層がほぼ入試本番と同じなので、A~Dの判定は割と的確に自分の現時点での立ち位置を示していると思います。
東大即応オープン(河合塾主催)
駿台の東大実践模試に比べて、難易度はそれほど高くなく、東大入試本番に近い印象があります。点数も本番と同じくらいには出やすいかもしれません。ある意味、今までの東大入試の形式を忠実にまもっていて、「意外性」「奇抜さ」はない問題であると言えます。
(一方の駿台の東大実践模試は冒険するタイプなので、難しい問題が好きな東大受験生に好まれる、というか河合と駿台の模試をセットで受ける受験生が多いのだと個人的には思っている。)
点数と同様に、判定も良い結果が出やすい印象があります。こちらも受験者層が入試本番とほぼ同じなので、ライバルの中での自分の立ち位置を知るのに適しています。
東大入試プレ(代ゼミ主催)
問題の質や採点は、東大入試本番と非常に近くて、難易度も河合の東大即応オープンに近いと個人的には思います。
ただ、何よりも受験者数が少ない…!ですので、受験者の中での自分の立ち位置を知るのには向いていません。受験は自分との戦いなので、自分がどれだけの点数をとれるのか力試しをしたい、という場合は受ければ良いと思います。
受験者数が少ない事情から、点数に対して、判定は少し厳しめに出る印象があります。
私の友人で東大を受験した人のなかでは、この模試を受験している人は少数派でした。
東大本番レベル模試(東進主催)
この模試は、理数系の科目が本番より難しい印象があります。また、他の3種類の東大模試が本番同様に2日間かけて行われるのに対し、この模試は1日で全教科を終わらせるので、かなり疲弊するかも…。
また、受験者が少ないうえに、試験の難易度も高いので、判定は低くなりがちです。この模試に関してだけは、判定が悪くても全く気にすることはない!判定はあてにならない!と主張している東大合格者も結構います。
ただ、他の模試とは時期が異なり、センター試験が終わった直後の1月にも開催されているので、センター試験後の直前期の追い込みには特に役立つかもしれません。また、答案の返却が早い(受験から10日くらい)のもありがたいことです。
東大模試をどのように活用していくか?
まず、夏の東大模試は、長い夏休みにおいてモチベーションとなりやすいです。例えば8月に2つの東大模試を受験するのであれば、「1回目の東大模試までに○○を終わらせる」「2回目の東大模試までの間でこの分野を集中的にこなす」など、勉強計画を立てる際の基準としてみましょう。
勉強計画の立て方については、こちらの記事も参考にしてください。
そして、秋の東大模試は11月開催なので、12月いっぱいで二次試験に向けた勉強に一区切りつけることを考えると(1月はほぼセンター対策に費やすことになると思います)、東大模試を「仕上げ」として活用することになるでしょう。対策が不十分な分野はどこか、あと1カ月でどの分野を集中的に取り組むか、想定外の事柄に対応できるかなどを確認しながら臨みましょう。
また、各東大模試が終わったら、結果が返却されるまでに時間がかかると思います。それまでの間に(できれば模試終了後すぐに)自己採点をしてみましょう。その結果に応じて、すでに立てていた勉強計画を見直したり、点数が良くなかった分野に取り組む時間を設けたりします。
東大入試本番での目標点を定めてから模試にのぞみ、その点数と現在の自分の実力との差を埋めるような勉強を心がけましょう。
模試が返却されたら、解答解説を読んで復習をしましょう。特に論述問題については、自分の答案のどこが足りなくて、どのような理由からどのような説明を加えるべきかといった点について、同じく東大を目指す受験生や、学校・塾の先生などと議論してみると良いと思います。
「現役生は最後まで伸びるから判定は気にするな」という言葉
「現役生は最後まで伸びる」「模試の判定はあてにならない」ということを言う人がいます。確かに、一通りの受験勉強を終わらせてしまっている浪人生に対して、現役生は特に理科や地歴の対策が後回しになりがちです。また、「追われる立場」より「追う立場」の方が精神的に有利であることから、そのようなことが言われます。
しかし、現役生も浪人生も、受験当日までに残された時間は変わらないわけです。確かに、理科や地歴の完成が受験直前になったがために、模試より本番で良い点数をとれたという現役生が多くいるのも事実ですが、逆に気を抜いてしまうことで秋以降にほとんど伸びない現役生もいるということです。
また、「E判定でも受かった人はいる」という言葉もよく言われますが、私の東大の友人を見てみても、模試でA判定かB判定をとっていたという人が当然ですが多いです。
D判定以下しかとったことがないという人も知り合いにはいたものの、割合としてはかなり少ないです。
つまり、A判定であっても落ちる人はいます(私の友人でもいました)し、E判定であっても受かる人はいて、勝負に「絶対」はないのですが、ほとんどの場合は、模試の結果の通りに順当に受かっていくということです。
これからの時期、勉強をしない受験生はいないのですから、模試の結果が悪かった人は、誰よりも勉強時間を増やしたり、誰よりも効率性を重視したりして、勉強を今以上に頑張らなければ、すでに自分より高い成績を持っている人を蹴落とすことは難しいのです。
でも、勝負に「絶対」はありませんから、何をやっても絶対に受からないということはありません。自分を信じて、勉強を続けていきましょう。
過去問対策については次の記事も参考にどうぞ!
まとめ
各予備校の東大模試比較と、東大模試の活用法について解説しました。
高3の夏休みから秋にかけては、最も勉強に集中できる時期ですから、模試をうまく活用して、自分の実力アップにつなげていきましょう。
また、二次試験対策も本格化しているところだと思いますが、センター試験対策も忘れずに!
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