合格(うか)るが勝ち

合格(うか)るが勝ちとは思っていない東大生凡人ブロガーが、東大生にしかわからない東大事情や受験情報について書き記すブログ

東大入試世界史の傾向と、論述問題で必要な考え方とは【東大文系受験生必見】

 

東大入試の世界史では、他の大学ではなかなか出題されない600字以上の大論述が出題されるため、対策をしにくいと感じる受験生も多いのではないでしょうか。

 

特に大論述に取り組む前には、傾向をしっかりとつかみ、構成の組み方のコツを身に付けておくと、点数に繋がりやすいと思います。

 

以下の記事では東大世界史の対策に役立つ参考書を紹介したのですが、今回は実際に問題演習に取り組む前に知っておきたい、東大世界史の問題形式や傾向、解答の際のコツや注意点についてお伝えしてみたいと思います。

www.asuka-ukaru.com

 

 

東大世界史の問題形式

 

東大入試の世界史の問題では、大問が3題出題されています。(問題形式が変わる可能性もあるのですが、とりあえず従来の形式について説明します。)

 

1問目がいわゆる「大論述」と呼ばれる形式のもので、指定された語句を用いながら、およそ500~600字という指定字数のなかで論述していくという問題です。

文字数が多いので、指定語句に関して思いついたことをだらだらと適当な順番で書いていきたくなりますが、それでは点数になりせん。文章を書き始める前に、しっかりと構成を吟味して、それぞれの要素をほぼ均等な分量で説明していく必要があります。

 

2問目がいわゆる「小論述」と呼ばれる形式のもので、2~4行(1行は30字のマス目にまっているので、文字数にすると60~120字)ほどで、ある事象の流れや歴史の語句について説明していく問題が5~6題ほど出題されます。

 

3問目は単答問題です。一問一答形式の語句が10個出題されます。東大受験生にとっては簡単に答えられる語句がほとんどのため、ここで満点を確保するのがセオリーになっています。

 

合計点は60点で、配点予想は第1問、第2問、第3問がそれぞれ30点、20点、10点(もしくは26点、24点、10点など)であると予想する人と、各20点ずつであると予想する人がいます。(予備校によっても異なります。)

 

私は前者です。もし後者の場合、第3問の一問一答が各2点ということになります。これでは、天下の東大にしては点数が取りやすすぎるのではないでしょうか。

しかも、東大合格者の世界史の平均点は、毎年35~40点です。世界史を得意とする受験生もたくさん集まるなかで、50点以上の得点を取る人の割合が、日本史や地理に比べてかなり少ないという事実からも、第3問が各1点であるという推測の方が事実に近いのではないかと思います。(個人の意見です)

 

東大世界史の傾向

 

さて、東大世界史では、どのような問題が出題されやすいのでしょうか。

 

実は、東大が好きな分野というのがあります。それが「他地域との交流が生じやすい地域・出来事」です。

 

「東大は近現代の出題が多い」などと簡単に分析している人が多いですが、古代に比べれば近現代の方が他地域との交流の機会が多いわけですから、近現代の方が出題されやすくなるのだと思います。

 

過去に出題された大論述のテーマを下に並べてみました。

例えば中世イスラーム(2011年に出題)や、13~14世紀モンゴル(2015年に出題)といった地域は、地理的にもヨーロッパとアジア両方の影響を受け、また双方に影響を与えていると言えます。また、17世紀以降になると、植民地政策によりヨーロッパの影響が全世界に広まっていく、その過程で政治・経済・文化的な交流が生まれるわけで、このポイントも出題されやすい。イギリス(2008年に出題)やフランスは植民地政策のイメージもありますが、近代以降に貿易での存在感を発揮したオランダが出題されている(2010)のも面白いと思います。

 

2018:19〜20世紀の女性運動

2017:ローマ・中国における古代帝国の形成比較

2016:1970年代後半から1980年代にかけての東ア・中東・中米・南米の政治状況の変化

2015:13〜14世紀のユーラシアとその周辺地域の交流

2014:19世紀ロシアの対外政策のユーラシア各地への影響

2013:17〜19世紀米大陸での開発・移動・軋轢の差異

2012:アジア・アフリカにおける植民地政策と独立運動の差異

2011:7~13世紀のイスラーム文化圏における異なる文化や生活様式の受容・発展・影響

2010:中世末~現代におけるオランダの世界史的役割

2009:18世紀前半までの各地域での国家と宗教と個人の関係

2008:パクス・ブリタニカへの組み込みと対抗

 

実際に世界史第1問の大論述の問題を見てみよう

 

 

大論述は記述量が多い分、何を書けば良いか分からずに、なんとなく指定語句に沿って思いついたことを論述しているという人も多いと思います。そこで、大論述の考え方と構成の立て方のコツについて、少しお伝えできればと思います。

 

例えば、2015年に出題された大論述は、こんな感じ。

 

近年、13〜14世紀を「モンゴル時代」ととらえる見方が提唱されている。それは、「大航海時代」に先立つこの時代に、モンゴル帝国がユーラシア大陸の大半を統合したことによって、広域にわたる交通・商業ネットワークが形成され、人・モノ・カネ・情報がさかんに行きかうようになったことを重視した考え方である。そのような広域交流は、帝国の領域をこえて南シナ海・インド洋や地中海方面にも広がり、西アジア・北アフリカやヨーロッパまでをも結びつけた。

 以上のことを踏まえて、この時代に、東は日本列島から西はヨーロッパにいたる広域において見られた交流の諸相について、経済的および文化的(宗教を含む)側面に焦点を当てて論じなさい。解答は、解答欄(イ)に20行以内で記述し、必ず次の8つの語句を一度は用いて、その語句に下線を付しなさい。なお、( )で並記した語句は、どちらを用いてもよい。

 

 ジャムチ 授時暦 染付(染付磁器) ダウ船 東方貿易 博多 ペスト(黒死病) モンテ=コルヴィノ 

 

ほら!異文化交流でしょ。(わかりやすく「もろ異文化交流」な問題を拾ってきただけですすみません。)

 

1段落目は導入文です。この部分は解答のヒントになることが多いので、読み飛ばさずにきちんと読みましょう。

 

さて問題はその後です。

「以上のことを踏まえて、この時代に、東は日本列島から西はヨーロッパにいたる広域において見られた交流の諸相について、経済的および文化的(宗教を含む)側面に焦点を当てて論じなさい。」

というのが質問ですが、まず第一に、この文章をきちんと読み込んで、「どの時代」の「どの地域」の「何について」「どのような条件で」書くのか明確にすることが必要です。

 

では、やってみます。

どの時代→13~14世紀(「モンゴル時代」)

どの地域→モンゴル帝国

何について→広域交流の諸相(東は日本列島から西はヨーロッパ)

条件→経済的・文化的側面に焦点を当てる

 

と、こんな感じです。時代・地域については、どの問題でもわかりやすく提示されていると思います。だから、論述に慣れていない人が解答を作ろうとすると、その時代・地域に引っ張られた解答を作ってしまいがちです。

この問題を例にすると、13~14世紀のモンゴル帝国の歴史について知っていることをとにかく書いていこう!と考えてしまう人や、13~14世紀のモンゴル帝国と他地域との交流っぽい事柄をとにかく上げていこう!と考える人がいると思います。

 

しかし、ここに「条件」が加わります。条件は「経済的・文化的側面に焦点を当てる」です。だから、「経済的交流」と「文化的交流(宗教)」について書く必要があります。政治的交流とか、モンゴルとどこが戦争したとか書いても、得点にはなりません。(だって条件を満たしてないから。)

 

論述を始める前に表を作り、右側に経済的交流、左側に文化的交流を箇条書きにして一覧にしてみると良いと思います。字数が600字以内(1行30字で20行以内のため)なので、経済的交流だけで600字埋まってしまった!という事態をなくすために、経済的交流に300字、文化的交流に300字を目安にすると良いと思います。

 

そして、本題は「広域交流の諸相」ですから、モンゴル帝国内のことを書いても得点にならない点も注意です。「経済的交流」は他国との貿易について(どこと何を取引していたか、貿易の中心地は、特徴は、など)、「文化的交流」は他国からどんな宗教・文化(建造物・美術芸術)・人(人種)が流入したか、逆に他国に流出して影響を与えたのは何か、についてなどが挙げられると思います。

「広域」がどこを指すのかは、一段落目の導入文を参考にすると、抜けが少なくなると思います。

 

だいぶ記述すべきことが絞られてきましたね。

ここまできて初めて、指定語句がどこに当てはまるのかを考えるようにすると、指定語句に引きずられてポイントを逃してしまうということがなくなるはずです。

 

東大世界史を解く際の注意点

 

さてここからは、東大の世界史の問題を実際に解くときの注意点です。あまり気にしないという受験生もいますが、問題文に条件として示されていることの解釈はきちんと行うべきだと個人的には思うので、一応書いておきます。

 

・大論述では、指定された全ての語句を使い、その語句の下に(指示があれば)下線を引く

特にいくつか指定語句があるなかで、使い方がわからない語句やうまく説明できない語句がある場合、その語句を使わずに論述してしまうことがあるかもしれません。

このように使わない語句があると、「全ての語句を用いて」というような条件を満たしていないことになってしまうため、字数不足等と同様に一律減点されてしまう可能性があると思います。(条件を満たしていないと大論述自体がゼロ点になる可能性もあると言われていますが、東大もさすがにそこまで過激なことはしないと思いたいです。)

 

このような無駄な減点を防ぐために、使わない語句があった場合には、その語句だけを解答の最後に記述している受験生をよくみかけます。

 

例(「ジャムチ」の使い方がわからなかった場合):

~~などが取引されるなど、貿易が盛んに行われた。ジャムチ

 

・小論述では、問題番号(記号)は行内におさめる。

ときどき、1文字でも多く論述したいからか、第2問の小論述で、問題番号を書いてから改行している人を見かけます。ただ、これの改行によって1行余分に使うことになり、「○行以内で」という条件を満たさない可能性が出てくるのではないかと私は懸念しています。

もし条件を満たしていなくて減点されてしまってはもったいないので、問題番号(記号)は行内に収めておくのが無難だと思います。

 

無難な例:

(1)(a)ローマ帝国は~~。

 

不適切な例:

(1)(a)

ローマ帝国は~~。

 

まとめ

 

東大入試世界史の問題形式や傾向について解説しました。問題形式を掴んだら、あとは練習あるのみです。以下の記事で世界史の参考書を紹介していますので、ぜひ活用してみてください。

www.asuka-ukaru.com

 

東大受験生の方は以下の記事もどうぞ!

www.asuka-ukaru.com

www.asuka-ukaru.com

www.asuka-ukaru.com

www.asuka-ukaru.com